こどもの病気

診断を受けられた方の病気への理解を深めるためにご利用ください。 一般的な内容を記載しておりますので、お子さんの病状とすべて一致するわけではありません。 家庭での自己診断はおやめください。

アトピー性皮膚炎

 皮膚表面にある角層の中の皮表脂質といわれる「あぶら」が不足して,皮膚の水分が蒸発,かさかさになります。.皮膚は「バリア」といって,外界からのいろいろな刺激怖れ,汗,細菌などの病原体,アレルゲンなど)からたいせつな体を守ってくれる働きをもっています.皮膚が乾燥してしまうと,角層の「バリア」がうまく働かなくなり,悪い刺激が簡単に侵入し,皮膚に炎症をおこし皮膚が赤くなって,溶出液がでたり,とても痺くなります。慢性化すると「苔癖化」といって,ぶ厚い象の皮膚のようにもなります.炎症によって痺くなり,痺いとひっかく,この「ひっかく」動作がまた角層をこわしてしまいますから,さらに悪化する,という悪循環に陥るのです.
 赤ちゃんのうちは卵などの食べ物に,大きくなるとほこりの中にすんでいるダニに強くアレルギー反応をおこす人がいます.アレルギー反応でも痺みや炎症がおこります.何に反応するかは,人によって,年齢によって違いますから,どんなものに反応しているか(何がアレルゲンか)をよく調べましょう

 正しいスキンケアは治療の基本です.まずは「清潔」.皮膚の表面に付くいろいろな刺激が悪化させますから,きれいにしてください.毎日のお風呂かシャワー,汗をかいたらすぐに流すこともたいせつです.石けんも使いますが,洗うときはよく泡立てて手のひらでやさしく,最後は皮膚に残らないようによくすすいでください.2番目は「保湿」.乾きやすい皮膚ですから,まめに保湿剤を塗って守ってあげましょう
 炎症をコントロールするのが副腎ホルモン外用薬です.炎症が悪循環のサイクルを回しますから,その程度にあわせて,きちんと治療します.大きな火事には消防車,小さなたき火はバケツの水,というのがステロイド薬の使いかたの基本ですが,正しく使えば副作用をおこさずにコントロールすることができます.
 アレルゲンが見つかれば,その対策です.食物が原因だとわかれば除去食療法ですが,むやみな除去は禁物です.主治医とよく相談しましょう.ダニアレルギーの場合は,布団干し,そうじなどまめにすることがたいせつです.アレルゲン以外にも,汗,汚れ,衣服や靴の刺激,髪の毛の刺激,洗剤,シャンプー,日焼けなどいろいろなことが悪化の原因になります.毎日の生活をふりかえってみて,避けるべきものがないか,よく相談してください.

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