こどもの病気
診断を受けられた方の病気への理解を深めるためにご利用ください。 一般的な内容を記載しておりますので、お子さんの病状とすべて一致するわけではありません。 家庭での自己診断はおやめください。
熱性けいれん
熱性けいれんは,小児の3~4%にみられ,発熱に伴っておこる全身けいれん発作です.発熱の24時間以内,体温の上昇時におこることが多く,けいれんの後で発熱に気づくこともあります.突然体を硬直させ,顔色不良,四肢を細かく,あるいはガクガクとふるわせます.多くは数分で終了し,体の力が抜けて呼吸が回復し,そのまま入眠する.覚醒すると意識は明瞭で,麻痺を残すことはまれです.チアノーゼを呈し,呼吸が止まっているように見えますが,死亡,脳障害のおそれはありません.舌先や頬粘膜を岐んで出血することもありますが,大量に出血することはありません.人工呼吸や口に物を較ませるなどはしないでください.1歳~4歳頃までに初発し,3分の2くらいは生涯で1回だけですが,6~7%では繰り返し発作をおこします.6歳頃までに消失します.学童期以降に発熱のない発作をおこすことも数%あります.同じ症状をもつ家族がいることもあり,けいれんをおこしやすい体質があると考えられます.発作再発を予防するために,発熱の初期にジアゼハム坐薬を使用する方法が確実で安全とされています.高熱時の不隠状態,悪寒との区別が必要です.髄膜炎,脳炎や脱水症などによるけいれんもあり,注意が必要です.