こどもの病気

診断を受けられた方の病気への理解を深めるためにご利用ください。 一般的な内容を記載しておりますので、お子さんの病状とすべて一致するわけではありません。 家庭での自己診断はおやめください。

尿路感染症

 膀胱や腎臓に細菌が侵入して炎症をおこし,排尿回数が多くなったり,排尿痛をきたしたり,発熱や腰背部痛を生じることがあります。腎孟腎炎では腎に障害が残ることがあり,早期に診断を受けて適切な治療を十分に受けることが必要です。診断は尿検査によって行われます,尿中に白血球と細菌を一定数以上認めます。
 乳児では膀胱からの排尿機構が未熟であり,幼児でもその成熟の遅れがあると,膀胱内の尿を全部出せずに残り,膀胱内の圧が高くなりすぎて尿が膀胱から尿管・腎へと逆流します。男児では生理的に包茎のことが多く,このために尿の出口で細菌が繁殖しやすくなる.年長児では習慣的に排尿回数が少ないと膜胱が巨大になり残尿を生じることがあります。また便秘症があると尿が近くなったり,尿をがまんしているときに,やはり圧が高くなって尿の逆流を生じるため感染が起こりやすくなります。
 生まれつき膀胱と尿管の構造的な異常によって生じる勝胱尿管逆流症や,尿路通過障害があると,尿の停滞などによって細菌が繁殖しやすくなる方.脳や脊髄の神経の異常によって膀胱の排尿機能異常がおこるために感染が起こりやすい方もいます。
 尿路感染症の治療はできるだけ早く解熱するように有効な抗生物質を十分に投与する必要があります。治療後6カ月間は再発がおこりやすく,この間は定期的に検尿することによって再発を早期に診断できます。発熱時には必ず検尿を受けるようにしましょう。
 尿路感染症の再発防止として予防的に少量の抗生物質を約6カ月間内服することもあります。
 乳幼児の生理的な異常の多くは成長に伴って改善がみられることが多いですが、超音波やレントゲンの検査で生まれつきの異常がないかどうか調べるのも重要です。

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