A型肝炎ワクチン

A型肝炎について

 A型肝炎ウイルス(HAV)の経口感染によって発症する急性肝炎で冬から春に多く発生がみられます。小児では感染しても症状が出ない不顕性感染で終わることが多く、発症しても発熱、軽い黄疸をみる程度ですが、成人ではほとんどが発症し、38℃以上の発熱、全身倦怠感、下痢、黄疸の症状が現れ、完全に治癒するまでには1〜2カ月の治療を要する疾患です。まれに劇症肝炎や急性腎不全を引き起こすことがあります。
 日本では近年、生活環境の整備により患者発生が激減したことにより、感染の機会が減少し、その結果として約60歳以下の世代ではA型肝炎に対する免疫がほとんどみられなくなりました。A型肝炎が流行している地域や、海外のA型肝炎常在地への旅行・出張等長期滞在の場合などにワクチン接種が勧められています。食品を取り扱う人々の感染予防、感染の拡大予防にも有利と考えられます。

ワクチンの特徴と副反応

 このワクチンは、A型肝炎ウイルスを培養細胞で増殖させ、それを精製、不活化したものです。基礎免疫をつけるには一定の間隔で2〜3回の接種が必要です。副反応は、注射部位の発赤、腫脹(はれ)、硬結(しこり)、疼痛、圧痛、そう痒感などがあります。その他、発熱、倦怠感、頭痛、頭重感、下痢、熱感、全身筋肉痛などがあらわれることがあります。
 これまでに重篤な副反応の発生は認められていませんが、このワクチンの接種によって、このような症状が認められたり、疑われた場合は、すぐに医師に申し出て下さい。なお、健康被害(入院が必要な程度の疾病や障害など)が生じた場合については、健康被害を受けた人又は家族が独立行政法人 医薬品医療機器総合機構法に基づいて救済手続きを行うことになります。

予防接種を受けることができない人

1.明らかに発熱のある人(37.5℃を超える人)
2.重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな人
3.過去にA型肝炎ワクチンの接種を受けて、アナフィラキシーを起こしたことがある人。なお、他の医薬品投与を受けてアナフィラキシーを起こした人は、接種を受ける前に医師にその旨を伝えて判断を仰いで下さい。
4.その他、医師が予防接種を受けることが不適当と判断した人。

予防接種を受けるに際し医師とよく相談しなくてはならない人

1.心臓病、腎臓病、肝臓病や血液の病気などの人
2.発育が遅く、医師、保健師の指導を受けている人
3.かぜなどのひきはじめと思われる人
4.予防接種を受けたときに、2日以内に発熱のみられた人及び発疹、じんましんなどのアレルギーを疑う異常がみられた人
5.薬の投与又は食事で皮膚に発疹が出たり、体に異常をきたしたことのある人
6.今までにけいれんを起こしたことがある人
7.過去に本人や近親者で、検査によって免疫状態の異常を指摘されたことのある人
8.妊娠の可能性のある人

予防接種を受けた後の注意

1.A型肝炎ワクチンを受けたあと30分間は、急な副反応が起こることがあります。医療機関にいるなどして様子を観察し、医師とすぐに連絡をとれるようにしておきましょう。
2.接種部位は清潔に保ちましょう。接種当日の入浴は差し支えありませんが、注射した部位をこするようなことはやめましょう。
3.接種当日はいつも通りの生活をしましょう。激しい運動や大量の飲酒は避けましょう。
4.万一、高熱やけいれんなどの異常な症状が出た場合は、速やかに医師の診察を受けて下さい。

参考

任意接種における救済制度について(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構法に基づく救済)

医薬品副作用被害救済制度
予防接種法の定期接種によらない任意の接種によって健康被害(医薬品を適正に使用したにもかかわらず発生した副作用により入院が必要な程度の疾病や障害など)が生じた場合は、独立行政法人 医薬品医療機器総合機構法による被害救済の対象となります。健康被害の内容、程度等に応じて、薬事・食品衛生審議会(副作用被害判定部会)での審議を経た後、医療費、医療手当、障害年金、遺族年金、遺族一時金などが支給されます。

生物由来製品感染等被害救済制度
生物由来製品感染等被害救済制度により、生物由来製品を適正に使用したにもかかわらず、その製品を介して感染等にかかり、健康被害(入院が必要な程度の疾病や障害など)が生じた場合の救済も行われることになりました(平成16年4月1日以降に使用された生物由来製品によって生じた感染被害が対象)。

問い合わせ先は下記のとおりです。
  独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 救済制度相談窓口
   〒100−0013 東京都千代田区霞が関3−3−2 新霞が関ビル10階
   電話:0120-149-931(フリーダイヤル)
   URL:http://www.pmda.go.jp

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