B型肝炎ワクチン

B型肝炎について

 B型肝炎ウイルスは、慢性持続性感染を起こし、肝細胞ガン・肝硬変の原因となり得るウイルスとして知られています。感染は主にB型肝炎ウイルス保有者(キャリア)の血液で非経口的に汚染されることによって生じます。母親がB型肝炎ウイルス保有者である場合、妊娠中あるいは、多くは出産時に母親の血液によって胎児あるいは新生児がウイルスの感染を受けます(母子感染)。さらに、血液に接する機会が多い医療従事者などでは、針刺し事故(汚染事故)によって感染する場合もあります。海外では、同性愛者、麻薬中毒者間での感染が知られています。成人がウイルス感染を受けると、約30%の人が急性肝炎として発病します。その予後は一般に良好ですが、約2%は劇症肝炎となり、そのうち約70%は死亡します 。

ワクチンの特徴と副反応

 組換えDNA技術を応用して産生されたB型肝炎ワクチンです。基礎免疫をつけるには一定の間隔で3回の接種が必要です。副反応は、注射部位の発赤、腫脹(はれ)、硬結(しこり)、痺痛、熱感、そう痺感などがあります。その他、発熱、発しん、湿しん、そう痔、じんましん、関節炎、肩こり、背部痛、関節痛、筋肉痛、嘔吐、腹痛、嘔気、下痢、食欲不振、眠気、めまい、頭痛、悪寒、倦怠感、違和感などがあらわれることがあります。また、まれにショック・アナフィラキシー様症状、多発性硬化症、急性散在性脳脊髄炎の発生も報告されています。このような症状が認められたり、疑われた場合は、すぐに医師に申し出て下さい。なお、健康被害(入院が必要な程度の疾病や障害など)が生じた場合については、健康被害を受けた人又は家族が独立行政法人 医薬品医療機器総合機構法に基づいて救済手続きを行うことになります。

予防接種を受けることができない人

1)明らかに発熱のある人(37.5℃を超える人)
2)重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな人
3)過去にB型肝炎ワクチンの接種を受けて、アナフィラキシーを起こしたことがある人。なお、他の医薬品投与を受けてアナフィラキシーを起こした人は、接種を受ける前に医師にその旨を伝えて判断を仰いで下さい。
4)その他、医師が予防接種を受けることが不適当と判断した人

予防接種を受ける際、医師とよく相談しなくてはならない人

1)心臓病、腎臓病、肝臓病や血液の病気などの人
2)発育が遅く、医師、保健師の指導を受けている人
3)かぜなどのひきはじめと思われる人
4)予防接種を受けたときに、2日以内に発熱のみられた人及び発しん、じんましんなどのアレルギーを疑う異常がみられた人
5)薬の投与又は食事で皮膚に発しんが出たり、体に異常をきたしたことのある人
6)今までにけいれんを起こしたことがある人
7)過去に本人や近親者で、検査によって免疫状態の異常を指摘されたことのある人
8)妊娠の可能性のある人

予防接種を受けた後の注意

1)B型肝炎ワクチンを受けたあと30分間は、急な副反応が起こることがあります。医療機関にいるなどして、様子を観察し、医師とすぐに連絡をとれるようにしておきましょう。
2)接種当日の入浴は差し支えありませんが、注射した部位をこするようなことはやめましょう。
3)接種当日は、接種部位を清潔に保ち、いつも通りの生活をしましょう。激しい運動や大量の飲酒は避けましょう。
4)万一、高熱やけいれんなどの異常な症状が出た場合は、速やかに医師の診察を受けてください。
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